この記事の手順と項目名は、執筆時点のiOS 26で確認したものです。iOSのバージョンによっては、画面の表記や位置が異なる場合があります。
始める前に確認する2つの前提
1つ目の前提は、新しいiPhoneへの移行が済んでいることです。写真、連絡先、メッセージが新しいiPhoneで表示されるかを確かめます。古いiPhoneは最後に中身をすべて消去します。移行していないデータがあると、あとで取り出す手間が増えます。
2つ目の前提は、Apple Account(Appleのサービスを使うためのアカウント。旧称はApple ID)のパスワードがわかることです。「探す」をオフにするときと、サインアウトするときに入力を求められます。パスワードを忘れた場合は、新しいiPhoneの「設定」>[自分の名前]>「サインインとセキュリティ」で変更してから始めます。
「盗難デバイスの保護」をオンにしている場合は、自宅など「よく行く場所」で作業してください。それ以外の場所では、「探す」をオフにしたりサインアウトしたりするときにFace IDかTouch IDが必要になります。さらに1時間のセキュリティ遅延がかかることがあります。
手順1:バックアップが最新か確認する
古いiPhoneで「設定」>[自分の名前]>「iCloud」>「iCloudバックアップ」を開きます。最後にバックアップが成功した日時を確認し、古ければ「今すぐバックアップを作成」をタップします。終わるまでWi-Fiにつないだままにしてください。
このバックアップは、消去したあとでデータの取り忘れに気づいたときの戻り先になります。消去する直前の状態を残しておくことが目的です。MacやWindowsパソコンにバックアップしている場合は、MacならFinder、Windowsなら「Appleデバイス」アプリで日時を確認します。
手順2:Apple Watchのペアリングを解除する
Apple Watchを新しいiPhoneに移行済みなら、この手順は必要ありません。古いiPhoneの「Watch」アプリにWatchが表示されている場合だけ行います。
「Watch」アプリの「マイウォッチ」>「すべてのWatch」で、対象のWatchの横にある情報ボタン(ⓘ)をタップします。続けて「Apple Watchとのペアリングを解除」を選びます。解除の途中でWatchのバックアップがiPhoneに作られ、そのあとWatchは初期状態に戻ります。モバイル通信モデルでは、通信プランを残すかどうかを聞かれます。同じWatchを新しいiPhoneで使い続けるなら、プランは残します。解除が終わったら手順1のバックアップをもう一度作成してください。Watchのバックアップもそこに含まれます。
手順3:LINEなどアプリの引き継ぎを確認する
アプリの中には、iPhoneのバックアップや移行だけではデータを引き継げないものがあります。代表的なのは、LINE、銀行や証券のアプリ、二段階認証のコードを表示する認証アプリ、ゲームです。
LINEは、新しいiPhoneでログインした時点で古いiPhoneでは使えなくなります。新しいiPhoneでトーク履歴が表示されていれば、引き継ぎは完了です。まだの場合は、古いiPhoneが手元にあるうちに、LINEアプリ内の引き継ぎ機能を使って済ませます。トーク履歴の引き継ぎ方はLINEのバージョンによって変わります。最新の手順はLINEのヘルプで確認してください。
認証アプリは特に注意が必要です。コードが古いiPhoneにしか残っていないと、消去したあとでそのサービスにログインできなくなります。新しいiPhoneでコードが表示されるか、サービス側で認証方法を新しいiPhoneに切り替えたかを確認します。ウォレットアプリに入れたSuicaやPASMOは、新しいiPhoneのウォレットに表示されていることを確かめます。
手順4:eSIMと物理SIMを整理する
最初に、新しいiPhoneで電話とモバイル通信が使えるかを確かめます。電話をかけられること、Wi-FiをオフにしてもWebページが開けることを確認できれば問題ありません。
eSIM(カードを差さずに使える、本体に組み込まれたSIM)をクイック転送で移した場合、古いiPhoneのeSIMは通常、転送したときに無効になります。古いiPhoneの「設定」>「モバイル通信」を開き、回線が残っていないか確認します。残っている回線は、手順6でiPhoneを消去するときに一緒に消去できます。物理SIMカードを使っていた場合は、SIMピンでトレイを開けてカードを取り出します。
新しいiPhoneで通信できる状態になる前に古いiPhoneのeSIMを消去すると、どちらのiPhoneでも回線が使えなくなります。その場合は、契約している通信事業者にeSIMの再発行を申し込みます。手数料がかかることがあるため、条件は各社の公式サイトで確認してください。
手順5:「探す」をオフにしてサインアウトする
「設定」>[自分の名前]>「探す」>「iPhoneを探す」をオフにし、Apple Accountのパスワードを入力します。これでアクティベーションロックが解除されます。アクティベーションロックは、「探す」がオンになっているiPhoneを持ち主のパスワードなしでは使えなくする仕組みです。次の持ち主がiPhoneを使えるようにするには、この解除が必要です。
続けて「設定」>[自分の名前]の画面を一番下までスクロールし、「サインアウト」をタップします。データのコピーをこのiPhoneに残すか聞かれますが、このあと消去するので、どちらを選んでも結果は同じです。iCloud上のデータは消えないため、新しいiPhoneでそのまま使えます。
手順6:すべてのコンテンツと設定を消去する
「設定」>「一般」>「転送またはiPhoneをリセット」>「すべてのコンテンツと設定を消去」を選びます。「続ける」をタップし、パスコードを入力します。eSIMが残っている場合は、eSIMも消去するかを選ぶ画面が表示されます。売却や譲渡に出すなら、消去を選んでください。
消去が終わるとiPhoneが再起動し、「こんにちは」の画面が表示されます。操作はここで止め、初期設定は進めません。この状態で下取りや売却に出せます。
消去後にアクティベーションロックが残ったときの戻し方
初期設定の途中で以前のApple Accountの入力を求められたら、アクティベーションロックが残っています。iPhoneが手元にあるなら、自分のApple Accountでサインインして先に進み、手順5と手順6をやり直します。
iPhoneをすでに手放している場合は、パソコンや別の端末のブラウザでiCloud.comの「探す」にサインインします。「すべてのデバイス」で古いiPhoneを選び、「このデバイスを削除」を選ぶとロックが解除されます。
消去後にデータの取り忘れに気づいたときの戻し方
写真や連絡先など、iCloudで同期していたデータは新しいiPhoneとiCloud.comに残っています。まずはそちらを確認します。
アプリのデータのように、バックアップの中にしかないデータは、古いiPhoneにバックアップを戻して取り出します。「こんにちは」の画面から初期設定を進め、「iCloudバックアップから復元」を選び、手順1で作成したバックアップを指定します。必要なデータを移し終えたら、手順5と手順6をもう一度行います。新しいiPhoneに復元することもできますが、その場合は新しいiPhoneの中身をいったん消去しなければなりません。古いiPhoneで取り出すほうが安全です。この方法は古いiPhoneが手元にあるときしか使えません。手放す前に、新しいiPhoneでよく使うアプリを一通り開き、ログインできているか、データがそろっているかを確かめておきます。
手放す準備ができたかを確認する方法
次の2つを確認します。古いiPhoneに「こんにちは」の画面が表示されていること。iCloud.comの「探す」のデバイス一覧に、古いiPhoneが表示されていないこと。両方を満たしていれば準備は完了です。一覧に古いiPhoneが残っている場合は、前の節の手順で削除してから渡します。下取りの査定条件や受付方法は、Apple、通信事業者、買取店の公式サイトで確認してください。