この記事の対象バージョンと必要なもの
この記事の手順は、執筆時点(2026年9月)のmacOS Tahoe 26の画面をもとにしています。macOS Ventura 13以降は、設定の場所がほぼ同じ「システム設定」の中にあります。ただし、項目名や配置はバージョンによって変わることがあります。
必要なものは、Mac本体、外付けドライブ1台、そのドライブをMacにつなぐケーブルの3つです。Time Machine(タイムマシン)は、Mac内のファイルを外付けドライブへ自動で定期的にコピーするmacOS標準の機能です。過去24時間分は1時間ごと、過去1か月分は1日ごと、それより前は1週間ごとのバックアップを残します。ドライブがいっぱいになると、古いバックアップから順に自動で削除されます。
外付けドライブの容量の目安
Appleは、Macの内蔵ストレージ容量の少なくとも2倍の容量のドライブを推奨しています。内蔵ストレージが256GBなら512GB以上、512GBなら1TB以上、1TBなら2TB以上が目安です。容量に余裕があるほど、さかのぼれる過去の版が増えます。
内蔵ストレージの容量と使用量は、「システム設定」の「一般」から「ストレージ」を開くと確認できます。ドライブはHDD(ハードディスク)でもSSDでも使えます。SSDはバックアップや復元が速く、HDDは同じ価格でより大きな容量を買えます。価格や在庫はメーカーの公式サイトや販売店で確認してください。
設定前の注意:フォーマットするとドライブの中身が消える
Time Machineは、専用の形式(APFS)に整えたドライブにしか保存できません。ドライブがこの形式でない場合、設定の途中で消去(フォーマット)を求められます。フォーマットとは、ドライブを初期化して保存方式を作り直す処理です。消去すると、ドライブに入っていたファイルはすべて消えます。通常の方法では元に戻せません。
新品のドライブなら、自分で事前にフォーマットしておく必要はありません。設定の途中で自動的に行われます。写真や書類を保存していたドライブを使う場合は、先に中身を別の場所へコピーしてから進めてください。
手順1:ドライブをMacに接続する
まず、Time Machineに使わない外付けドライブやUSBメモリをすべて取り外します。一覧に表示されるドライブを1台だけにして、誤って別のドライブを消すのを防ぐためです。
次に、バックアップ用のドライブをMacのポートに直接つなぎます。USBハブを経由すると、電力不足で認識されないことがあります。Appleシリコン搭載のノート型Macでは「アクセサリの接続を許可しますか?」と表示されることがあります。この場合は「許可」を選びます。
接続すると「Time Machineでバックアップに使用しますか?」という確認が出ることがあります。そこから設定を始めても構いませんが、この記事では設定画面から進める手順で説明します。確認が出た場合は閉じてから手順2に進んでください。
手順2:Time Machineの設定でドライブを選ぶ
- アップルメニューから「システム設定」を開き、サイドバーの「一般」から「Time Machine」をクリックします。
- 「バックアップディスクを追加」ボタン(または「+」ボタン)をクリックします。
- 表示された一覧から、接続したドライブを選んで「ディスクを設定」をクリックします。
- オプション画面で、必要に応じて「バックアップを暗号化」と「ディスク使用量の上限」を設定し、「完了」をクリックします。
暗号化を有効にすると、パスワードを知らない人はバックアップを読み出せなくなります。持ち運ぶドライブなら、暗号化しておくと安心です。ただし、このパスワードを忘れると自分でも復元できなくなります。パスワード管理アプリなど、Mac以外の場所にも控えておいてください。
ドライブの形式がAPFSでない場合は、ここで消去を確認する画面が表示されます。ここが一番の注意点です。表示されたドライブ名と容量が、目的のドライブと一致しているか確認します。少しでも迷ったら「キャンセル」を押してください。キャンセルすれば何も消えません。
手順3:初回バックアップの完了を確認する
設定が終わると、しばらくして初回バックアップが自動で始まります。初回はMac内のデータをまとめてコピーするため、数百GBあれば数時間かかることも珍しくありません。2回目以降は変更された分だけをコピーするので、短時間で終わります。
進行状況は「システム設定」の「Time Machine」画面で確認できます。ドライブ名の下に進み具合が表示され、完了すると「最新のバックアップ」として日時が表示されます。この日時が表示されれば、初回バックアップは完了です。
メニューバーにTime Machineのアイコンを出しておくと、この後の操作が楽になります。「システム設定」の「メニューバー」(macOS Sequoia 15以前は「コントロールセンター」)で、Time Machineを表示する設定をオンにしてください。
手順4:ファイルを1つ復元してテストする
バックアップは、実際に復元できて初めて役に立ちます。削除してよいテスト用ファイルで、一度試しておきます。
- テキストエディットで適当な文字を入力し、「書類」フォルダに「復元テスト」という名前で保存します。
- メニューバーのTime Machineアイコンから「今すぐバックアップを作成」を選び、完了するまで待ちます。
- 「復元テスト」ファイルをゴミ箱に入れ、ゴミ箱を空にします。
- Finderで「書類」フォルダを開いたまま、メニューバーのTime Machineアイコンから「Time Machineバックアップをブラウズ」を選びます。
- 画面右側のタイムラインや矢印ボタンで、ファイルが存在していた時点までさかのぼります。
- 「復元テスト」ファイルを選び、「復元」をクリックします。
元の「書類」フォルダにファイルが戻っていれば、テストは成功です。同じ名前のファイルがすでにある場合は、どちらを残すか尋ねられます。迷ったら「両方とも残す」を選べば、どちらのファイルも失いません。
つまずきやすい場面と対処・戻し方
ドライブが認識されない
まずケーブルを疑います。USBケーブルの中には充電専用でデータを送れないものがあるため、ドライブに付属していたケーブルを使ってください。ハブを使っている場合はMacに直接つなぎ、電源アダプタが必要なドライブは電源を入れます。
それでも一覧に出ない場合は、「アプリケーション」フォルダの「ユーティリティ」にある「ディスクユーティリティ」を開きます。「表示」メニューから「すべてのデバイスを表示」を選びます。ドライブが灰色で表示されていれば、選択して「マウント」をクリックします。マウントとは、ドライブをMacから使える状態にする操作です。ディスクユーティリティにも表示されない場合は、別のポートやケーブルで試し、それでもだめならドライブ本体の故障を疑います。
初回バックアップが終わらない
初回に時間がかかるのは正常です。進行表示が少しずつでも進んでいれば、待つのが正解です。Macを電源アダプタにつなぎ、スリープしないようにしておくと早く終わります。
途中で中断しても問題はありません。メニューバーのアイコンから「このバックアップをスキップ」を選ぶか、ドライブを取り出せば止まります。次にドライブをつないだとき、続きから再開されます。どうしても終わらない場合は、「Time Machine」画面の「オプション」で、「バックアップから除外」に大きな動画フォルダなどを追加します。コピーする量が減るので、完了までの時間が短くなります。
別の用途で使っていたドライブを誤って消しそう
予防策は3つあります。1つ目は、手順1のとおり他のドライブを外しておくことです。2つ目は、ディスクユーティリティで目的のドライブの名前と容量を事前に確認しておくことです。3つ目は、消去の確認画面で少しでも迷ったら「キャンセル」を押すことです。確認画面の時点では、まだ何も消えていません。
消去を実行したあとでは、通常の操作でデータを取り戻す方法はありません。重要なデータだった場合は、そのドライブにそれ以上何も書き込まず、データ復旧の専門業者に相談してください。書き込むほど、復旧できる可能性が下がります。
ドライブがすでにAPFS形式なら、ディスクユーティリティでTime Machine用のボリューム(ドライブ内の区画)を追加するという方法もあります。この場合、既存のデータを消さずに共用できます。ただし容量を分け合うことになるため、可能ならバックアップ専用のドライブを用意する方が確実です。
設定をやり直したいとき
「Time Machine」画面でドライブを選び、「ディスクを削除」(または「−」ボタン)をクリックすると、そのドライブへのバックアップが止まります。この操作ではドライブ上のバックアップは消えません。ドライブを外すときは、Finderのサイドバーで取り出しボタンを押してから抜いてください。
設定後に確認すること
Time Machineは、ドライブがつながっているあいだだけバックアップを作ります。ノート型Macでドライブを常時つなげない場合は、週に1回など、つなぐ日を決めておきます。「Time Machine」画面の「最新のバックアップ」の日時が数日以上前になっていたら、ドライブをつなぐ合図と考えてください。数か月に一度は手順4の復元テストを繰り返すと、ドライブの不調に早く気づけます。より詳しい仕様は、Appleのサポートサイトで「Time Machine」を検索して確認してください。