データ量・持ち歩き・予算の3つで方向が決まる

ストレージの決め方は、次の3つの条件でおおむね絞り込めます。1つ目は、今使っているデータ量です。写真や動画を大量に扱う人と、書類とWebが中心の人とでは、必要な容量が数倍違います。2つ目は、Macを持ち歩くか、机に置いたまま使うかです。3つ目は、購入時にどこまで予算を出せるかです。

目安は次のとおりです。データが少なく、書類やWebが中心なら、最小構成にiCloud Driveを組み合わせる方法で足ります。据え置きで使い、写真や動画が多いなら、最小構成に外付けSSDを組み合わせると費用を抑えやすくなります。ノート型を毎日持ち歩き、大きなデータを外出先でも開くなら、内蔵SSDを増やすのが確実です。購入時の予算に余裕がないなら、内蔵は最小限にして、足りない分を外付けかiCloudで補います。

3つの方法を同じ観点で比べる

観点内蔵SSDを増やす外付けSSDで補うiCloud Driveで補う
費用購入時の一括負担が大きく、容量あたりは割高容量あたりは安い。一度買えば追加費用なし初期費用なし。毎月(または毎年)料金がかかる
速度最も速い接続規格とケーブルしだい通信速度しだい。未ダウンロードのファイルは開くまで待つ
持ち運び本体だけで完結ドライブとケーブルを持ち歩く必要がある本体だけでよいが、ネット接続が前提
バックアップとの相性Time Machineでまとめて保護しやすいバックアップ対象に含める設定の確認が必要同期であってバックアップではない
OS・アプリの容量増加への備え余裕を持たせれば安心内蔵の空きは増えない内蔵の空きは増えない

後の2つは、どちらも内蔵の空き容量そのものを増やすわけではありません。macOSやアプリは内蔵SSDに入るため、ここの余裕は別に考える必要があります。

内蔵SSDを増やす:速くて手間がないが、後から変えられない

内蔵SSDは3つの中で最も速く、ケーブルの抜き差しもありません。Time Machine(macOS標準のバックアップ機能)で本体を丸ごとバックアップすれば、データの保護も1台で済みます。

弱点は費用と柔軟性です。Appleの容量追加オプションは、同じ容量の外付けSSDより割高になりがちです。しかも、現行のMacBook Air、MacBook Pro、iMac、Mac miniは、購入後に内蔵SSDを増設できません。容量の見積もりを誤ると、Macを買い替えるまで取り返せません。なお、一部のモデルでは、最小容量構成の内蔵SSDが上位構成より読み書きが遅いことが報告されています。検討中のモデルのレビューで確認しておくと安心です。

外付けSSDで補う:安く大容量にできるが、挿し忘れと手間がある

外付けSSDは、容量あたりの費用を最も抑えやすい方法です。写真ライブラリや動画素材、過去のプロジェクトなど、大きくて頻繁には触らないデータの置き場に向いています。macOS Sequoia以降では、App Storeの一部の大きなアプリを外付けドライブにインストールすることもできます。

速度は接続規格で大きく変わります。USB 3.2 Gen 2(最大10Gbps)の製品でも一般的な作業には十分です。4K動画の編集など重い作業では、Thunderbolt対応の製品を選ぶと内蔵SSDとの差が縮まります。付属ケーブルが規格に対応していないと速度が出ないため、ケーブルも確認が必要です。

弱点は、物理的な手間です。挿し忘れるとファイルを開けません。ノート型では、ケーブルが抜けたり、持ち歩く途中で紛失したりする危険もあります。また、Time Machineは外付けドライブを初期設定でバックアップ対象から外していることがあります。外付けSSDのデータも保護したいなら、Time Machineの「オプション」で対象に含まれているかを確認してください。バックアップ先のドライブと、データ保存用の外付けSSDは分けて用意するのが基本です。

iCloud Driveで補う:どこからでも使えるが、毎月料金がかかりオフラインに弱い

iCloud Driveは、Appleのクラウドストレージです。iPhoneやiPadとファイルを共有でき、Macが故障してもデータがクラウドに残ります。「Macストレージを最適化」を有効にすると、使っていないファイルをクラウドだけに置き、内蔵SSDの空きを確保します。

弱点は3つあります。まず、無料の容量は5GBなので、実用的に使うにはiCloud+の有料プランが必要です。料金は毎月(または毎年)かかり続けるため、数年使うと外付けSSDの購入費を上回ることがあります。次に、オフラインに弱い点です。クラウドにしかないファイルは、ネットにつながらない場所では開けません。最後に、iCloud Driveは同期の仕組みで、バックアップではありません。誤って削除したファイルは、ほかの端末からも消えます。「最近削除した項目」から一定期間は復元できますが、Time Machineなど別のバックアップとの併用が必要です。プランと料金はApple公式サイトで確認してください。

今のMacの使用量から必要な容量を見積もる

見積もりの出発点は、今使っているMacの使用量です。執筆時点のmacOS Ventura以降では、次の手順で確認できます。

  1. アップルメニューから「システム設定」を開く
  2. 「一般」→「ストレージ」を選ぶ
  3. 上部のグラフで、使用済みの容量と、写真・アプリ・書類などの内訳を確認する

この使用量に、今後の増加分を上乗せします。macOSのアップデートには数十GB単位の空きが必要になることがあり、アプリも年々大きくなります。内蔵SSDは、データを外に逃がす場合でも、常に容量の2割前後を空けておける大きさを目安にすると、動作が不安定になりにくくなります。

迷ったときは、内蔵に何を残すかで決める

判断の基準は、「毎日使うデータ」がどれだけあるかです。毎日開くデータとOS・アプリが最小構成に余裕を持って収まるなら、最小構成を選び、残りを外付けSSDかiCloud Driveに逃がします。据え置きで大容量なら外付けSSD、複数の端末で使い、データ量が中程度ならiCloud Driveが向きます。毎日使うデータが最小構成に収まらない場合や、外出先で大きなファイルを扱う場合は、内蔵SSDを1段階増やすのが安全です。

次にやることは、今のMacで「ストレージ」画面を開き、使用量のうち毎日使う分を確認することです。そのうえで、Apple公式サイトで各構成の価格を、販売店で外付けSSDの価格を、それぞれ確認して比べてください。